輸出許可が必要か判断する全体フロー|外為法の判断ステップを完全解説

輸出管理の基礎

「この取引、許可が必要なのかどうか」という判断は輸出管理の実務で最も重要なステップです。この記事では、JETROの早わかりガイドと経済産業省の公表資料をもとに、輸出許可の要否を判断するための全体フローを解説します。

全体フローの概要

輸出許可の要否判断は以下の5つのステップで進みます。

ステップ確認内容結果
STEP Aリスト規制の該非判定該当→許可申請へ/非該当→STEP Bへ
STEP Bキャッチオール規制の対象品目か対象外→許可不要/対象→STEP Cへ
STEP C仕向地がグループA国かグループA→原則許可不要※/それ以外→STEP Dへ
STEP D客観要件(用途・需要者)の確認懸念なし→許可不要/懸念あり→許可申請へ
STEP Eインフォーム要件の確認通知なし→許可不要/通知あり→許可申請へ

※2025年10月改正でグループA国向けにもインフォーム要件が新設されています。

STEP A:リスト規制の該非判定

最初に確認するのはリスト規制です。輸出しようとする貨物・技術が輸出令別表第1の1〜15の項に該当するかどうかを判定します。

該非判定は輸出者が自ら責任をもって行うものです。経済産業省は該非判定の代行を行いません。

判定の手順はこうです。経済産業省が公開している「貨物・技術のマトリクス表」でキーワード検索を行い、関連する項番を特定します。次にパラメータシートまたは項目別対比表で詳細な照合を行い、判定結果を該非判定書として文書化します。

判定結果が「該当」の場合は許可申請が必要です。ただし包括許可が使える場合や許可例外に該当する場合は個別の許可申請が不要になります。

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STEP B:キャッチオール規制の対象品目か

リスト規制で非該当と判定された場合でも、キャッチオール規制の確認が必要です。

キャッチオール規制の対象は食料品・木材を除くほぼ全ての貨物・技術です。ただし以下の品目は対象外です。

  • 食料品(関税定率法別表の第1類から第24類に掲げる物品)
  • 木材(同第44類に掲げる物品)

自社の貨物がこれらに該当しない場合はSTEP Cに進みます。

STEP C:仕向地がグループA国(旧ホワイト国)か

キャッチオール規制はグループA国(旧ホワイト国)以外への輸出が基本的な対象です。

  • 2026年6月時点のグループA国は26カ国です(アルゼンチン・オーストラリア・オーストリア・ベルギー・ブルガリア・カナダ・チェコ・デンマーク・フィンランド・フランス・ドイツ・ギリシャ・ハンガリー・アイルランド・イタリア・韓国・ルクセンブルク・オランダ・ニュージーランド・ノルウェー・ポーランド・ポルトガル・スペイン・スウェーデン・スイス・イギリス・アメリカ)。

ただし2025年10月改正でグループA国向けにもインフォーム要件が新設されたため、グループA国向けであっても経済産業大臣からインフォーム通知を受けた場合は許可申請が必要です。

キャッチオール規制の地域要件とは?別表第3の地域と適用除外を解説

STEP D:客観要件の確認(用途・需要者の確認)

グループA以外の国・地域向けの場合、客観要件の確認が必要です。

客観要件は以下の2つです。

用途要件:輸出する貨物・技術が大量破壊兵器等または通常兵器の開発・製造・使用に用いられるおそれがあると輸出者が判断した場合に許可申請が必要です。

需要者要件:需要者等が大量破壊兵器等または通常兵器の開発等を行っている・行っていたと輸出者が判断した場合に許可申請が必要です。

客観要件の確認には経済産業省が公開している「明らかガイドライン」と「客観要件確認シート」を活用します。

懸念がある場合・ない場合の判断が困難な場合はいずれも経産省安全保障貿易審査課に相談できます。

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STEP E:インフォーム要件の確認

経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)を受けている場合は、客観要件の判断に関わらず許可申請が必要です。

インフォーム通知は個別の取引に対して発出されます。通知を受けていない場合はSTEP Dの判断に従って対応します。

許可申請が必要と判断した場合

STEP AまたはSTEP D・Eで許可申請が必要と判断した場合は、経済産業省への個別許可申請またはキャッチオール規制に係る許可申請を行います。申請はNACCSを使った電子申請のみです。

個別許可申請とは?手続きの流れと申請窓口をわかりやすく解説

判断が困難な場合の相談先

相談内容相談先連絡先
リスト規制・申請手続き全般経産省安全保障貿易審査課03-3501-2801
キャッチオール規制経産省安全保障貿易審査課(キャッチオール専用窓口)メール相談あり
制度概要・法令解釈経産省安全保障貿易管理課03-3501-2800
実務全般CISTEC03-3593-1147

まとめ

  • 輸出許可の要否はSTEP A〜Eの順番で確認する
  • STEP Aのリスト規制が該当すれば原則許可申請が必要
  • 非該当でもキャッチオール規制の確認(STEP B〜E)が必要
  • 2025年10月改正でグループA国向けにもインフォーム要件が新設
  • 判断が困難な場合は経産省安全保障貿易審査課に相談できる

(外部リンク:経済産業省 申請の流れ )
(外部リンク:経済産業省 キャッチオール規制フロー図 )
(外部リンク:JETRO 早わかりガイド )

※本記事の内容は2026年6月時点の法令に基づきます。実際の判断は必ず最新の法令および経済産業省の公表情報をご確認ください。

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