「貨物は日本を通らないから輸出規制は関係ない」と思っていませんか。日本の企業が外国間の取引に関与する場合、外為法の仲介貿易取引規制が適用される可能性があります。
仲介貿易取引とは
仲介貿易取引とは、外為法第25条第4項で「外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借または贈与に関する取引」と定義されています。実務では「三国間貿易」とも呼ばれます。
具体的には、貨物はA国からB国に直接輸出されるが、日本の企業がA国から買いB国に売るという取引形態です。貨物が日本を経由しない場合でも規制の対象になります。
積替規制との違い
積替規制は貨物が日本に物理的に陸揚げされる場合が対象です。仲介貿易取引規制は貨物が日本を経由しない場合でも、日本の企業・個人が取引に仲介者として関与する場合が対象です。
(記事「積替規制とは?」への内部リンク)
許可が必要になる条件
1の項(武器:銃砲・火薬類・軍用航空機など)に該当する貨物の仲介貿易取引は、船積地域・仕向地がどの国であっても許可が必要です。
例:東京の貿易商社が米国の武器メーカーから機関銃を購入してイスラエル軍に売却する契約を結んだ場合、機関銃が米国からイスラエルに直接輸出される場合でも、当該商社には経済産業大臣の許可が必要です。
2の項から16の項に該当する貨物については、船積地域と仕向地のいずれもがグループA(ホワイト国)以外であって、以下のいずれかに該当する場合に許可が必要です。大量破壊兵器等の開発等に用いられる旨の記載がある文書等を受け取った場合、または経済産業大臣からインフォーム(許可申請をすべき旨の通知)を受けた場合です。
逆に言えば、船積地域または仕向地のいずれか一方がグループA国であれば、原則として許可不要です。
詳細は以下を参考にしてください。
2009年改正で「貸借・贈与」も対象に
ジェトロの資料で確認できた重要な点として、2009年11月施行の外為法改正で規制対象が拡大されました。従来は「売買」のみが対象でしたが、改正後は「貸借」や「贈与」も対象に含まれています。
北朝鮮からの仲介貿易は全面禁止
2006年10月より、北朝鮮から第三国への仲介貿易取引を禁止する措置が発動されています。条件を問わず許可が下りない扱いです。
まとめ
- 仲介貿易取引規制は貨物が日本を経由しない三国間取引にも適用される
- 武器(1の項)の仲介取引は全地域で許可必要
- 武器以外は船積地域・仕向地の両方がグループA以外かつ大量破壊兵器用途のおそれがある場合に許可必要
- 売買だけでなく貸借・贈与も対象
- 北朝鮮からの仲介貿易は全面禁止
(外部リンク:経済産業省 仲介貿易取引規制)
(外部リンク:JETRO 仲介貿易と外為法 )
※本記事の内容は2026年6月時点の法令に基づきます。実際の判断は必ず最新の法令および経済産業省の公表情報をご確認ください。


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