キャッチオール規制の地域要件とは?別表第3の地域と適用除外を解説

輸出管理の基礎

以前、キャッチオール規制は一定の国・地域向けには適用が異なると述べました。この記事では、その地域による違いを解説します。

キャッチオール規制とは?リスト規制との違いを輸出管理担当者向けに解説

なぜ地域で扱いが変わるのか

キャッチオール規制は、用途と需要者によって規制の要否を判断する仕組みです。ただし、すべての輸出先を同じように扱うわけではありません。

輸出管理を厳格に行っている国は、そこから大量破壊兵器等が拡散するおそれが低いと考えられます。そうした国向けの輸出については、キャッチオール規制の一部が適用されない扱いになっています。この適用除外の対象となるのが、輸出貿易管理令別表第3に掲げる地域です。

別表第3の地域とは

別表第3の地域とは、輸出貿易管理令の別表第3に掲載されている国・地域のことです。国際的な輸出管理の枠組みに参加し、輸出管理体制が整っている27か国が対象とされています。

2025年12月23日時点での掲載国は以下の通りです。

アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、大韓民国、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国

掲載国は改正によって変わることがあります。最新情報は輸出貿易管理令別表第3で確認してください。

なお、別表第3の地域とは別に、国連安全保障理事会の決議により武器等の輸出が禁止されている国・地域として「別表第3の2」の地域が定められています。

アフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、イラク、レバノン、リビア、北朝鮮、ソマリア、南スーダン、スーダン

地域によって何が変わるか

地域の区分によって、キャッチオール規制の適用が変わります。

別表第3の地域向けの輸出では、客観要件はキャッチオール規制の対象から外れます。ただしインフォーム要件については、懸念国等に迂回輸出されるおそれがある場合に限定して適用されます。

別表第3の地域以外への輸出では、客観要件が適用されます。

別表第3の2の地域(国連武器禁輸国)向けは、通常兵器キャッチオール規制の対象となる扱いがあり、より厳格な確認が求められます。

最も重要な注意点

ここで絶対に混同してはいけない点があります。

地域要件はあくまでキャッチオール規制の話です。リスト規制には地域による適用除外はありません。別表第3の地域向けであっても、リスト規制の該非判定は必要です。

「別表第3の地域だから輸出管理は緩くていい」と考えるのは誤りです。リスト規制は輸出先がどこであっても適用されるため、該非判定は全地域に対して行う必要があります。地域要件で緩和されるのは、あくまでキャッチオール規制の一部です。

まとめ

キャッチオール規制には、輸出先の地域による違いがあります。

  • 別表第3の地域向けは、大量破壊兵器キャッチオール規制の客観要件が適用されない
  • 別表第3の地域以外向けは、客観要件が適用される
  • ただしリスト規制は地域に関係なく全地域で該非判定が必要

地域要件はキャッチオール規制に限った話であり、リスト規制とは切り離して考える必要があります。

※本記事の内容は2026年6月時点の法令に基づきます。輸出管理関連の法令は頻繁に改正されるため、実際の判断は必ず最新の法令および経済産業省の公表情報をご確認ください。

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